モトローラ社

― シャシーのねじ穴位置に合わせた取り付け治具の設計 ―

Screw template fiixture

01 挑戦:取り付け穴の位置ずれ

モトローラ社が3Dスキャニング技術によっていかに製品開発プロセスを改善したかは、Enterprise Mid-Tier(E-MT)シャシーの製造工程における取り付け治具のケーススタディに見ることができます。

モトローラ社のシニアメカニカルエンジニアであるMarian Petrescu氏によれば、「もし2D図面にあわせてねじ穴位置を決め、取り付け治具を作ってしまったら、実際のシャシーとは位置がまったく合いません。その問題を解決するため、実際のE-MTシャシーをもとに、取り付け治具を設計する必要があるのです。」

 

Print of Chassis legacy part Heatsink attached to Chassis
Pro/E CAD Data with holes pattern Adding features to Pro/E Data

 

02 ソリューション:3Dスキャナとリバースモデリングソフトウェア

Scanning preparation

取り付け治具の3DCADモデルを作成するため、モトローラ社は実際のE-MTシャシーから高精度に穴位置を得る必要がありました。モトローラ社は、高解像度光学式スキャナであるGOM社のATOSを利用しました。ATOSは、シャシーの形状だけでなく、穴位置も高精度にかつ高速にキャプチャします。穴形状はスキャンしにくいため、独自のパーツを穴に取り付けることで容易に穴位置が特定できるように工夫もしています。

 

3Dスキャンによって得られたメッシュデータは、INUS Technology社のRapidformに読み込まれ、パラメトリックなCADモデルになります。3Dスキャナは、陰になったり、表面素材や色の違いが原因で、すべての形状を取り込めるわけではありません。RapidformXORは、そのようなメッシュデータからでも、設計意図を反映した完全なフィーチャーベースのパラメトリックソリッドモデルを構築することができる独自の手法を提供しています。ユーザは、ATOSで獲得したシャシー形状のメッシュデータから、正確な穴位置を持った取り付け治具の3DCADモデルをRapidformXORで早く簡単に作ることができるのです。

 

  Cut for M3 holes
Importing scan data (.stl) in Rapidform XOR Mesh-Sketch for M3 holes Cut for M3 holes

 

3DCADのモデリング機能と、3Dスキャンデータ処理機能を併せ持ったRapidformXORによって、モトローラ社はたった一つのツールで3Dスキャンデータから完全なソリッドモデルを作成することができました。もし他のリバースモデリングソフトウェアと3DCADを利用するとしたら、ユーザは2つのツールを何度も行ったり来たりしながら、両方のソフトウェアで同じモデルを作り上げていくことになります。これは大きな時間の無駄となってくるのです。また、RapidformXORのもう一つの特徴でもある誤差解析によって、ユーザは許容値を設定しておけば、現在設計している取り付け治具と、実際のシャシーにある穴がどのくらいの精度で合っているのかをいつでも確認しながら設計作業が進められるのです。

◎Pro E への取り込みと編集

Pro/E CAD Data with holes pattern Adding features to Pro/E Data
Pro/E CAD Data with holes pattern Adding features to Pro/E Data

 

. Re-Designed Screw Template Fixture aligned on the Product assembly
Re-Designed Screw Template Fixture aligned on the Product assembly

03結果:時間とコストの削減

3Dスキャナとリバースモデリングソフトウェアを利用したプロセスのタイムテーブルは次の通り。

  •  スキャンの前準備後、3Dスキャニングしてメッシュ化するまでに1日間。(外部委託や従来の測定で3-4日間)
  •  RapidformXORによる取り付け治具の3DCADモデル化に1日間。(CMMで測定した結果をもとに3DCADでモデリング作業を行う場合には3-4日間。)
  •  3DCADモデルから実際の製造にかかる日数が2日間。(この工程は3Dスキャナを使用する、市内にかかわらず同じ)

ATOSとRapidformXORにより、モトローラ社は設計変更されたシャシーの穴位置に対しても、正確にあった取り付け治具を迅速に製作できるようになりました。8-10日間かかっていた作業が4日間にまで短縮、モトローラ社はひとつの取り付け治具あたり80万円のコスト削減を実現したのです。

 

Comments are closed.